☆1位通過★
アジアカップグループリーグ・グループD結果
日本代表0−0イラン代表
(重慶)
オマーン代表2−0タイ代表
(重慶)
≪出場メンバー≫
日本代表
GK:
23.川口能活
DF:
3.田中誠
5.宮本恒靖
22.中沢佑二
MF:
21.加地亮
15.福西崇史
4.遠藤保仁
14.三都主アレサンドロ
10中村俊輔
FW:
11.鈴木隆行
(70分19.本山雅志)
20.玉田圭司
フォーメーション
(3-5-2)
20 11
14 10 21
4 15
22
5 3
23
アジアカップ第12日は28日、グループリーグ・グループD最終戦の2試合が行われ、既に8強入りを決めていた日本はイランと0−0で引き分け、2勝1分けの勝ち点7で同グループ1位となった!31日の準々決勝ではグループB2位のヨルダンと激突する。日本は宮本(G大阪)を中心にしたDF陣が安定し、GK川口(ノアシェラン)も再三の好守で相手シュートを阻んだ。攻めては玉田(柏)、中村(レッジーナ)らが好機をつくったが、得点は奪えなかった。1勝2分けで2位となったイランは、準々決勝で韓国と対戦。もう1試合はオマーンがタイを2−0で破った。この日でグループリーグが終了して8強が出揃い、準々決勝は30、31日に行われる。
【守護神リベンジ】
日本代表GK川口能活(28=ノアシェラン)が、イランの猛攻を完璧に封じた!再三の好セーブで0−0の引き分けに持ち込み、勝ち点7でグループD1位通過に貢献した。正GK楢崎の左膝負傷で回ってきたチャンスを逃さなかった。ジーコジャパンは通算32戦17勝8分け7敗となった。日本は4大会連続の決勝トーナメント進出。31日にグループB2位通過のヨルダンと重慶で決勝トーナメント1回戦を戦う。川口が跳んだ。後半37分の失点危機。左ショートコーナーの対処が遅れて、正確なクロスが放り込まれた。ゴール前でボールがこぼれ、5メートル前でモバリがフリーで右足を振り抜く。それでも慌てない。体を大の字にして跳んだ。「体でシュートコースを消して腕を伸ばした」。ゴール右隅に吸い込まれそうなボールを右腕ではじいた。嫌な時間帯での失点を防いで、優勝候補の一角イランを完封した。借りを返した。ここまでのイラン戦はエースFWダエイに2試合連続で失点を許すなど2試合計3失点と、振るわなかった。日本がイランを完封したのは1992年11月3日のアジアカップ以来だが、川口が0点で抑えたのは初めて。ジーコ監督からは「あれだけチャンスをつくられたが、川口のセーブに助けられた」と絶賛された。再三、失点危機に直面しても怒らず、笑顔でイレブンに安心感を与えた。以前なら、何度もイレブンに怒ってハッパを掛ける展開だった。「もう怒らない。自分のプレーに集中することが大事」。川口は変わった。サッカーでエリート人生を歩んできた。清水商で選手権優勝、アトランタ五輪ではマイアミの奇跡でブラジルを完封。日本初のW杯フランス大会出場と常にトップを走った。しかし、イングランドでの挫折とW杯日韓大会でピッチに立てなかった屈辱、デンマークで控えに甘んじる苦闘の中でたくましくなって戻ってきた。控え組の気持ちが分かるようになった。現在は、月給40万円(推定)でデンマークのノアシェランでプレーしている。J時代の横浜でもらった年俸の10分の1にも満たない金額だ。それでも新シーズンも同チームでプレーすることを決めた。昨年はJクラブから年俸5000万円以上で誘いを受けたが、迷わず蹴った。「GKは他のポジションと違って40歳になってもできる。自分に投資すると思ったら、お金なんか関係なくなる」。1997年以降、不動の守護神として君臨してきたが、楢崎の台頭でポジションを失った。代表監督を務めたこともある川淵キャプテンは「歴史上、今のようにここまでレベルの高いGK2人が競ったことはない」。楢崎の負傷で再びチャンスをもらって6試合2失点。どん底からはい上がり着々と結果を残している。正GKの座を奪い返す日も近い。試合後は、イレブンを連れてメーンスタンドのわずかな日本サポーターの前に行って深々と頭を下げた。会場のほとんどが相手ファンだったため、ものを投げられる危険性もあった。それでも「アウェーみたいなところで、少ない人数で声援を送ってくれたので、どうしてもその気持ちに応えたかった」。人間的にもプレー面でも成熟してきた川口が、第2の全盛期を迎える。
≪各選手コメント≫
川口能活(ノアシェラン)
「苦しい試合だったが、集中力を切らさずにその場その場での対応ができた。自分のプレーをしようとして、それができたと思う。イランはどこからでも攻めてくるチームだったが、そういう試合でもきちんと対応できたのが収穫だったと思う」
宮本恒靖(ガンバ大阪)
「今日は頭では分かっていても、動けない時間帯があった。疲れと暑さによるものだと思う。もっとフリーランニングすればチャンスもあったのに、それができていない。90分間続けるには、やはりコンディションがきついと思った。グループリーグは中3日あったけれど、準々決勝は中2日しかない。次が一番きついけれど、移動はしたくなかったので結果として(グループ)1位でよかった。(イランには)何本かシュートを受けたけれど、(守備陣全員が)マークの受け渡しを理解していた。長く一緒にやってきた成果だと思う。今後は言葉で理解するのでなく、もっとオートマティックになればいいと思う。(ジーコからの指示は)事前にビデオを見ながら指示は受けている。それを自分がみんなに伝えるようにしている。今日は8番(カリミ)がボールを持ったら、誰かが必ず対応するように指示した。8番に2人でカバーしたのが良かったと思う」
遠藤保仁(ガンバ大阪)
「勝ちたかったけれど、1位通過できてよかった。(守備については)我慢の時間帯も多かったけれど、とにかく失点ゼロにできてよかった。みんな経験豊富だし、チームとしても成長していると思う。(後半の決定的なシュートは)モト(本山)からいいパスが出て、落ち着いて蹴ったけれど中央に飛んでしまった。ボールが来る前からイメージがあっただけに、悔しい。これからまた練習する」
三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)
「今日は前半よりも、後半で攻撃のチャンスがあったと思う。ミスからカウンターを食らうところがあったので、今後は集中するようにしたい。前半は(向こうの攻撃で)2対1の形を作られてやられる場面があったが、後半には対応することができた。自分が前に出たときに後ろ(の中澤)に負担が掛かってしまった。もう少し下がり目の位置から素早くオーバーラップするように心掛けたい。次は(移動がなくて)休めるので良かった」
中村俊輔(レッジーナ)
「(試合中に強打した)腰は平気。攻撃については、歯がゆさを感じることがある。自分のイメージでは、もっとボールを回すようなことをしたいけれど、つなぐべきところで、蹴ってしまったりしてしまった。自分自身は守備の時間が増えているけれど、チームのためにやっている」
玉田圭司(柏レイソル)
「(個人として)今日はここ3試合で、一番良かったと思う。ゴール前でのプレーができた。(この3試合で)得点がセットプレーがらみのものばかりだった。もっと流れの中で決めることも必要だと思う。これまでの2試合は、自分でもふがいなかったので、今日は積極的に行こうと思った。(決定機については)サイドを狙ってみたけれど、ボールが浮いてしまった」
本山雅志(鹿島アントラーズ)
「(投入されるときは)できるだけボールキープしてカウンターを食らわないようにと(ジーコ監督から)言われた。(高い位置で)キープできれば俊(中村)といい形ができる。玉田も前半の終わりくらいからよくなった。(玉田とのコンビでは)勝負の時には、できるだけお互い離れて、敵の数を少なくしたい。(投入された時点で)相手も疲れていたので、いったん後ろに下がってから上がると、スペースができた」
日本代表・ジーコ監督
「(重慶の観客からは)好かれていないチームだが、次のステージに進むことができた。今日はタフな試合だったが、我々が許されている結果(勝利か引き分け)の1つを達成することができた。今日の結果は、自分たちの置かれた状況の中で、きちんとサッカーができることを証明できたと思う。移動を避けたかっただけに、グループ首位になれたのはうれしい。明日からはまた(決勝トーナメントに向けて)切り替えていかなければならない。(最後の3分間は)ルール違反はしていない。それなりに対処した、ということ。(選手交代については)今日はチームにとって2つの結果があった。ここ(重慶)に留まるために、勝つか、引き分けるかという結果。最初は勝ちに行ったのだが、相手も積極的に攻めに出てきて、当たりも強かったこともあり、我々もリスクを冒す必要もなかった。こうした状況を踏まえてサッカーをしたまでの話」
イラン代表・イバンコビッチ監督
「互いにいい戦術で戦い、中盤もよかった。我々は試合前も試合中にもいくつかの問題があった。選手に感謝したい」
≪採点表≫
日本代表
GK:
23.川口能活 7.5
DF:
3.田中誠 5.5
5.宮本恒靖 6.0
22.中沢佑二 6.5
MF:
21.加地亮 4.5
15.福西崇史 6.0
4.遠藤保仁 6.0
14.三都主アレサンドロ 5.0
10中村俊輔 5.0
FW:
11.鈴木隆行 5.0
(70分19.本山雅志 5.5)
20.玉田圭司 5.5
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