☆連覇★
アジアカップ決勝結果
中国代表1−3日本代表
(北京)
≪得点者≫
日本:福西22、中田65、玉田89
中国:リ・ミン31
≪出場メンバー≫
日本代表
GK:
23.川口能活
DF:
3.田中誠
5.宮本恒靖
22.中沢佑二
MF:
21.加地亮
15.福西崇史
6.中田浩二
14.三都主アレサンドロ
10.中村俊輔
FW:
11.鈴木隆行
20.玉田圭司
フォーメーション
(3-5-2)
20 11
14 10 21
6 15
22 5 3
23
アジアカップの決勝は7日、中国・北京の工人スタジアムで行われ、日本が開催国・中国を3−1で下し、2大会連続3度目の優勝を飾った!日本は前半22分に福西の得点で先制したが、同31分に同点に追いつかれ前半終了。後半20分、中村の右CKを中田が押し込み勝ち越した日本は、ロスタイムに玉田がダメ押しゴールを決めた。これで、両国の通算対戦成績は日本の10勝3分け7敗。日本はアジア王者として、来年のコンフェデレーションズカップ(ドイツ)と、ホームアンドアウェー方式でチュニジアと対戦するアジア・アフリカ選手権の出場権を獲得した。大会最優秀選手には中村俊輔が選ばれた。次回大会は2007年にタイなど東南アジア4か国共催で開催される。なお、アジアカップのベストイレブンは、日本からはGK川口(ノアシェラン)をはじめ、DFの宮本(G大阪)と中沢(横浜M)、MF中村(レッジーナ)の最多4人が選出。中国からはMF邵佳一ら3人。このほか、イランのDFマハダビキア、FWカリミ、バーレーンFWのA・フバイルらが入った。
【神様が泣いた】
アウェーの洗礼に最後まで負けなかった!日本代表は後半20分MF中田浩二(25=鹿島)の決勝弾などで中国を3−1と破り、2大会連続3度目のアジア杯優勝を果たした。苦難の道を乗り越えたジーコ監督(51)は涙を浮かべた。これで来年6月のコンフェデレーションズ杯(ドイツ)出場権を獲得。日本代表は9連勝、12戦連続不敗(3分けを含む)と歴代最多タイ、今季13勝目は年間記録と記録ずくめ。通算19勝9分け7敗。MVPはMF中村俊輔(26=レッジーナ)が獲得した。神様の目が潤む。たくましく成長した選手と抱き合い、6万観衆のブーイングも耳に入らない。「さあ、行くぞ!」。甲高い声を張り上げ、厳戒態勢の中で応援し続けた日本サポーター席へ選手とともに走った。逆境を跳ね返した分だけ涙があふれてきた。ジーコ監督「大変な戦いになるのは最初から分かっていた。困難を乗り越えて上り詰め、自分たちの力で克服した。優勝はその集大成。感動的だった」。中国入りしてから24日目。最後まで「敵地の重圧と洗礼」に負けなかった。真っ赤に染まるスタンドからは拡声器や笛の派手な応援が途切れない。前半途中で追いつかれ中国優勢にムードは一変。だが「絶対焦るな。2点目をどん欲に狙え」とハーフタイムで指示。後半20分。中田浩が腰で押し込み勝ち越し。流れをつかみ玉田のダメ押しで勝利を確信した。重慶から始まったアジア杯の長い旅。宿舎で自室にこもり続けたジーコ監督は対戦国の研究、分析に余念がなかった。和田テクニカルスタッフから届く資料と映像を丹念にチェック。ミーティングでは選手に細かく指示を重ねた。ホスト国との頂上決戦。中国政府の発令で公安、北京警察など1万2000人の厳戒警備態勢が敷かれた。午後6時30分に選手を乗せたバスが到着した際は銃を構えた警察官に囲まれながらの入場と異様なムードに包まれた。日中の歴史的、政治的問題を背負っての大会でもあった。加えて圧倒的な不利な状況もあった。酷暑の重慶で4試合を戦い、済南−北京と1620キロの移動を強いられた。北京にいた中国と大きな格差。さすがにジーコ監督も厳しい環境に「つらいな」とスタッフに漏らした。中国報道陣からも「第2の日本代表」と皮肉られる。それでも中田英ら主力を欠くチームは結束を固めて頂点へ駆け上がった。鈴木国弘通訳によれば、これこそジーコ監督が求めていたチームだと言う。「鹿島時代のこと。仮に日本代表の監督を引き受けたらチームの雰囲気づくりをしたいとね。ああいうこと(反日問題)もあったがチームは逆風の中で結束を固めていった」。出番のない控え組にも「つらいだろうがモチベーションを保ってがんばってくれ」とジーコ監督は声をかけ続けた。9月のインド戦、10月のオマーン戦と今後のW杯予選でアウェー戦が続く。ジーコ監督は「敵地での自信」という大きな土産を持って8日、帰国する。
≪各選手コメント≫
川口能活(ノアシェラアン)
「うれしい。みんな冷静にゲームを進めていたし、今日もリードしても本当に落ち着いて素晴らしいゲームができた。1試合1試合成長していって、どんな状況でも冷静にプレーできていたから、みんなよくやったと思う。1点取られてしまっても、その後冷静にプレーしていたから、本当にみんな逆境に強くなった。今後に向けても、非常に大きな優勝。(個人的な出来は)まあまあ、よかった。普段の練習からの積み重ねができたということと、今大会はチームの雰囲気が良くて、みんなで勝ち取った優勝だと思う。優勝カップをまた持ち帰ることができて、本当に満足。今日は余韻に浸りたい」
田中誠(ジュビロ磐田)
「(攻守の)バランスを取ることができたと思う。中国は選手が上がってきて、多少振られた部分もあったけど、徐々に対応できた。攻撃では裏を狙う意識で、守備では人にマークすることができた。1点やられた形みたいに、サイドをえぐられると苦しいので、それだけは避けようとした。右のポジションで守りに関してはうまくやれた」
宮本恒靖(ガンバ大阪)
「3点目が入って、勝利を確信した。優勝できてうれしかった。いいコンディションで臨めたし、疲れは感じなかったが、この雰囲気の中でなかなか声が通らなかった。中国は予想していたスタイルの通りで警戒してたけど、その通りに失点してしまった。ただ、裏を狙ったボールを出して、DFを走らせることはできた。相手の2トップは押さえるのが難しかったが、徐々に対応できた。今回の結果は良かったけれど、今後は、暑い中でやるサッカーをもう少し考えないといけない。こういう厳しい試合はチームの成長につながる」
中澤佑二(横浜F・マリノス)
「今大会は、この暑さの中で中東などのチームとやっても、対人プレーでうまく勝てたと思う。しんどいゲームが続いたけど、しんどいからこそ勝ち続けることでチームが強くなる。ヨルダン戦や、バーレーン戦がそうだった。チームの雰囲気はどんどんよくなっていった。サブのメンバーも盛り上げてくれたし、チームが結束していった。キリンカップに始まって、3週間アジアカップを戦って、ここまでよくなっていった」
加地亮(FC東京)
「このチームは、誰が入っても同じ力が出せる。個人としては、自分のプレーがなかなかできない試合ばかりだったけど、最後に納得のできる試合ができた。(クラブでも生きてくるか?)そうですね、精神的に大きいと思う」
中田浩二(鹿島アントラーズ)
「今まで(中東勢)とは違うスタイルの相手で、大きいから意識した。体力の続く限りやるつもりだった。
(小野、稲本がいないときに結果を出したが?)アピールはできたと思う。ただ、続けていかないといけない。ポジションを取るつもりでやってかないと。ゴールについては、ラッキーというのもあるけれど、強引に押し込んだから生まれた。あきらめないでボールに行った」
中村俊輔(レッジーナ)
「アウェーの雰囲気の中で、攻め切れない試合が多かったし、1−0とか、延長2試合や、PKを外すとか、いい経験になった。(1点目の左サイドからのフリーキックは)普段はヤット(遠藤)が蹴るので、久しぶりだった。GKの横というか、GKを目掛けて蹴った。そこにタカ(鈴木)さんが走り込んで、福西さんが決めてくれた。3点目は中国が攻撃の枚数を増やして切り替えが遅くなっていたので、DFとGKの間にスペースができていた。いつかスルーパスを通そうと思っていたけど、最後にできた。裏へのパスは、こちらは前を向いて、相手の4バックは後ろを振り返って追いかけないといけないから、(ボクシングの)ジャブみたいに効いてくると思って狙っていた」
玉田圭司(柏レイソル)
「ゴールは、ずっと狙っていた。相手は攻撃的で守備が手薄だったから、チャンスが絶対に来ると思っていた。相手も攻めてくるから、やりやすかった。ジーコ監督からは、相手のラインが浅くてスペースができるから、そこを突けと言われていた。足の状態は大丈夫。試合前ちょっとピリッとしたけど、全く問題なかった。今大会の雰囲気は、最初はあまり慣れなかったけど、振り返ってみればいい大会。点が取れたし、アジアの大きな大会で勝てて自信がついた」
日本代表・ジーコ監督
「この大会が始まってから今日のファイナルまで、選手たちはどんな状況にあっても落ち着いてプレーし、バランスを崩すことなく、しっかりした平常心と技術、そして勝利への貪欲な意欲を保ち続けていた。今日は特に後半での頑張りが非常に光っていた。とにかく絶対にタイトルをもらうんだという、選手たちの強い信念に対しては心から賛辞を送りたい。(選手交代については)前半から後半の最後まで、選手たちのフィジカル・コンディションに強いものを感じた。動きもポジショニングも質が良かったので、代える必要性を感じなかった」
川淵三郎・日本サッカー協会会長
「選手が自信を持ってやっていた。準々決勝、準決勝をああいう(劇的な)形で勝ったことで、負けるわけがないと思っていた。(日本への反感が強い)こういう環境、ストレスがある中でよく耐えた。チームの一体感があった」
田嶋幸三・日本サッカー協会技術委員長
「(反日応援など)いろいろな問題はあったが、チームがまとまったことが優勝に結びついた。ジーコイズムがものすごく浸透していた」
≪採点表≫
日本代表
GK:
23.川口能活 6.0
DF:
3.田中誠 5.5
5.宮本恒靖 6.0
22.中沢佑二 6.0
MF:
21.加地亮 4.5
15.福西崇史 6.0
6.中田浩二 6.0
14.三都主アレサンドロ 5.5
10.中村俊輔 6.5
FW:
11.鈴木隆行 5.5
20.玉田圭司 6.5
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