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2004.08.21.SAT

☆なでしこ散る★
アテネ五輪サッカー女子・決勝トーナメント準々決勝結果

日本1−2アメリカ
(カフタジョグリオ競技場)

≪得点者≫
日本:山本48
アメリカ:リリー43、ワンバック59

≪出場メンバー≫
女子日本代表
GK:
1.山郷のぞみ
DF:
2.矢野喬子
(46分12.山岸靖代)
3.磯崎浩美
5.川上直子
(77分14.丸山桂里奈)
13.下小鶴綾
MF:
6.酒井與惠
7.山本絵美
(68分15.柳田美幸)
8.宮本ともみ
FW:
9.荒川恵理子
10.澤穂希
11.大谷未央

アメリカ代表
GK:
1.スカリー
DF:
3.ランポーン
6.チャステイン
14.フォーセット
15.マークグラフ
MF:
5.タープリー
7.ボックス
11.ファウディ
13.リリー
FW:
9.ミア・ハム
16.ワンバック

アテネ五輪サッカー女子の決勝トーナメントが始まった20日、準々決勝が行われ、五輪で初めて8強入りした女子日本代表は、3大会連続のメダルを狙う世界ランク2位の強豪、米国に1―2で惜敗し、世界大会で史上初のベスト4進出は成らなかった!日本は前半終了間際、ゴール前のこぼれ球を押し込まれ先制を許したが、後半早々に山本がFKを直接決めてから同点に追い付いた。しかし、同14分、相手FKに対し、オフサイドトラップをとられない微妙な判定から勝ち越し点を奪われ、そのまま逃げ切られた。

【なでしこ散る】
メダルに届くことなく、なでしこジャパンが散った!女子日本代表が準々決勝で世界ランキング2位のアメリカと対戦、1−2と惜敗した。0−1で迎えた後半3分、MF山本絵美(22=TASAKI)の直接FKで追い付いたが、同14分にオフサイドトラップの微妙な判定からFWワンバック(24)に勝ち越しゴールを許し、逃げ切られた。初のベスト8など得たものは多いが、グループリーグで敗退した男子に代わり、1968年メキシコ大会以来のメダルを狙ったが、夢は北京へと持ち越された。残り10分、ベンチに退いたDF川上が涙目で、ピッチを見つめる。そのまま試合は好転することなく、敗戦を告げる笛が響いた。倒れ込む選手はいないが、表情は茫然としたまま。もったいない敗戦で、メダルの夢はついえた。後半14分、アメリカのFKに完璧なタイミングで、オフサイドトラップを仕掛けたはずだった。FWハムのキックと同時に、一斉にラインを上げた。しかし、線審の旗は上がらず、ゴール前はGK山郷とアメリカの4選手だけ。シュートコースを防ごうとしたが、4対1ではどうしようもない。MFボックス、FWワンバックと回され、最後は無人のゴールに軽く流し込まれた。オフサイドとも取れるような微妙な位置だったが、神話の国の女神は日本にほほえんでくれなかった。1度は追い付いた。0−1で迎えた後半3分、得意のセットプレーが炸裂。右中間約35メートルで得たFKを、キッカーMF山本が中央へ蹴り込んだ。待ち構えるMF沢の頭をかすめるように、1バウンドしたボールは左隅に吸い込まれた。直接FKを決めたMF山本は、右内転筋を痛め、このアメリカ戦が今大会初の試合だった。男子五輪代表・山本監督の大ファンで、著書も読破。また、同じ年の同代表MF石川とは小学生時代に、神奈川・三浦半島大会で対戦するなど縁も深かっただけに「男子の分まで」との思いは強かった。アテネ入り後、選手村でアルゼンチン代表FWサビオラと一緒に写真を撮り、モチベーションも高めた。昨年のW杯アルゼンチン戦でもゴールを決めており、再び大舞台に強いことを証明。ここから一気に巻き返すはずだった。6月6日のアウェーでの同カードの親善試合で引き分け、自信を得てこの一戦に挑んだ。しかし、過去15戦3分け12敗の相手は甘くなかった。DF川上は「久しぶりに切羽詰まった試合。そんなプレッシャーは(五輪アジア予選の)北朝鮮戦以来で、ドキドキするけど、そうなったほうが力が出せるかも」と話していたが、夢は北京へと持ち越された。

≪各選手コメント≫

宮本ともみ(伊賀FCくノ一)
「アドレナリンが出ていたので、痛みは気にならなかった。アメリカ戦はミスが多かったし、もう少しやれたと思うと残念」

澤穂希(日テレ・ベレーザ)
「オリンピックへの道は険しかった。準決勝にすごく進みたかったけど、夢は叶わなかった。この大会に参加できたことは重要。私たちは既に2008年の北京五輪を見据えている」

大部由美(YKK APフラッパーズ)
「今まで五輪で1勝もしていないチームがここまでできた。歴史をつくったことに真価がある。これで私のサッカー人生が終わるわけじゃない」

リリー(アメリカ代表MF)
「今日の試合、私たちは日本より非常に良かった。準決勝に進めたことをうれしく思う。ドイツは素晴らしいチームなので、準決勝は非常に厳しい戦いになるだろう」

ミア・ハム(アメリカ代表FW)
「私たちはよくやった。チームの18人全員がしなければならないことをしていた。私はこのチームを誇りに思う。日本は危険なチームだったが、私たちは勝つためにすべきことをした。非常に興奮している。次の対戦相手になるドイツは非常にうまくてテクニックのあるチームだ」

ワンバック(アメリカ代表FW)
「決勝ゴールを決めて最高の気分。ドイツとの準決勝は非常に厳しいものになる。最高の試合をしなければ勝ち進むことはできない。私たちは金メダルを取るためにここでプレーしている」

女子日本代表・上田栄治監督
「(オフサイドのように見えた決勝ゴールの判定については?)今日のゲームで、選手たちはベストを尽くして、非常によくやってくれた。2点目のオフサイドトラップについては、これまでトレーニングでもやってきたし、私もそういう指示をした。しかし、オフサイドの判定はレフェリーがするものだし、私の位置からも分かりませんでしたので、それはしようがないと思っている。戦術面での責任は私にある」

≪採点表≫

女子日本代表
GK:
1.山郷のぞみ 5.5
DF:
2.矢野喬子 5.5
(46分12.山岸靖代 5.5)
3.磯崎浩美 5.0
5.川上直子 5.5
(77分14.丸山桂里奈 5.0)
13.下小鶴綾 5.0
MF:
6.酒井與惠 6.0
7.山本絵美 6.0
(68分15.柳田美幸 5.5)
8.宮本ともみ 5.5
FW:
9.荒川恵理子 6.0
10.澤穂希 6.0
11.大谷未央 5.0

アメリカ代表
GK:
1.スカリー 6.0
DF:
3.ランポーン 6.0
6.チャステイン 6.5
14.フォーセット 6.0
15.マークグラフ 6.0
MF:
5.タープリー 6.0
7.ボックス 6.0
11.ファウディ 5.5
13.リリー 6.5
FW:
9.ミア・ハム 6.5
16.ワンバック 6.0

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