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2006.09.06.WED

☆辛勝★
アジアカップ2007予選・グループA第4戦結果

イエメン代表0−1日本代表
(アリ・モーセン)

≪得点者≫
日本:我那覇89

≪出場メンバー≫
【イエメン代表】
GK:
25.サイード
DF:
6.アブドゥラ(cap)
13.アルワディ
37.ワシム
MF:
2.サレム
15.アクラム
14.アルオムキ
(77分9.ラドワン)
16.モハナド
41.アリシェリ
(64分26.ヤセル)
23.アルワ
(84分43.アルマング)
FW:
10.アルノノ

フォーメーション
(3-6-1)

   10
  23   41
16 14 15  2
 37 13  6
   25

【日本代表】
GK:
23.川口能活(磐田)(cap)
DF:
20.坪井慶介(浦和)
45.田中マルクス闘莉王(浦和)
30.阿部勇樹(千葉)
MF:
21.加地亮(G大阪)
55.鈴木啓太(浦和)
14.三都主アレサンドロ(浦和)
4.遠藤保仁(G大阪)
51.羽生直剛(千葉)
(73分65.我那覇和樹(川崎))
FW:
38.田中達也(浦和)
(46分37.佐藤寿人(広島))
36.巻誠一郎(千葉)
(89分72.梅崎司(大分))

フォーメーション
(3-5-2)

  36  38
  51   4
14  55  21
 30 45 20
   23

≪各種データ≫
ボール支配率:
イエメン…38%
日本…62%
シュート数:
イエメン…4
日本…17
PK数:
イエメン…0
日本…0
CK数:
イエメン…1
日本…4
直接FK数:
イエメン…13
日本…16
間接FK数:
イエメン…4
日本…1
OS数:
イエメン…4
日本…1

 アジアカップ2007予選でグループAの日本代表は6日、サヌアでイエメン代表と対戦し、1−0で辛勝した。日本は3勝1敗として勝ち点を9に伸ばし、アジアカップ本大会出場が決まった。イエメンは同3。サウジアラビアはインドに7−1で圧勝して4戦全勝の同12としたため、日本はサウジアラビアとともに2試合を残して、同グループ2位以内を確定した。日本はイエメンと勝ち点で並ぶ可能性があるが、当該対戦で2勝している日本が上回る
 日本は優位に試合を進めながら好機でシュートミスが目立った。でこぼこの多いピッチや高地で薄い空気など、慣れない環境にも苦しんだ。しかし試合終了直前、我那覇(川崎)が倒れ込みながら右足シュートを決めた。日本はチャーター機で7日に帰国する。

【生みの苦しみの日本】
 後半ロスタイム。坪井の前線への放り込みを巻が頭で競って落とす。倒れ込みながら我那覇が蹴ったボールがやっとのことでゴールに転がり込んだ。敵地で辛うじて手にした勝ち点3。オシム監督は「こういう試合で監督をやるぐらいならどこかで炭鉱労働者になった方がいい」と、日本代表の指揮を執ることの過酷さを独自の表現で例えてみせた。
 でこぼこのグラウンドや経験のない標高約2300メートルの高地特有の条件よりも、オシム監督は「みんな勝って当然と思っている。選手も誤解してしまって相手と戦うことを忘れたようだ」と嘆いた。
 決定的なシュートが次々と枠をそれた上に、オシム・サッカーの看板ともいえる運動量も不足した。ダイナミックな動きもなく、湾岸諸国でも伏兵といえるイエメンからパワープレーで1点をもぎ取るのがやっとだった。
 強行日程の遠征で選手の疲労はピークだった。しかし、そんな中でこそ本当に戦える選手の見極めはできる。懸命に走ろうとした選手、ミスを恐れ安全第一のパスを選択する選手。厳しい状況下の2試合で、オシム監督の頭には選手の評価がしっかりできあがったはずだ。 「このチームは前進し始めた。ただ、その道のりは険しい」とオシム監督。今後はさらに若い選手の発掘に乗り出すことも明言した。初の海外遠征で1勝1敗。生みの苦しみをたっぷり味わったオシム・ジャパンが、また次の段階に入る。

【やっと役に立てた】
 攻めても点が取れない日本。引き分けかと思われた後半ロスタイムに値千金の決勝点を奪ったのは我那覇だった。
 代表初得点が日本に勝ち点3をもたらす1点となった。ここまで代表で本領を発揮できていなかった25歳のFWは「苦しいときに点を取れた。やっとチームの役に立ててうれしい」と喜んだ。
 後半28分、羽生に代わってピッチへ登場。鋭い動きで味方を鼓舞した。得点の場面では、坪井が右からクロスを上げるとゴール前に駆け込み、巻が頭で落とした球を滑り込みながら右足で合わせた。
 ゴール後は両手の人差し指を立ててガッツポーズ。「巻を(前線の)ターゲットとしていたので、競り勝つのを信じて走った。みんなの気持ちが届いたゴール」と振り返った。
 数少ない沖縄県出身のJリーガーは「スタメンで出られないのは力不足だと分かっている。こういう得点を続けたい」と精悍(せいかん)な顔で話し、レギュラー定着に燃えていた。

【時間必要なオシム流】
 日本代表は、オシム監督就任後初の海外遠征となるアジアカップ予選のサウジアラビア、イエメンとの2試合を1勝1敗で終え、順当に本大会出場を決めた。
 十分な準備期間がなく迎えた過酷な環境での公式大会。いきなり結果を問われる局面に放り込まれたオシム監督だが、イエメン戦終了直前の我那覇(川崎)のゴールで勝ち、なんとか苦境を切り抜けた。
 オシム監督の「このチームは発展を始めた。ただその道のりは険しい」という言葉が、今の日本代表の段階を的確に表している。
 日本代表を一変させるかのような期待感の中で就任したオシム監督だが、その手法は手堅い。Jリーグ千葉時代も、時間をかけて選手の判断力を養い、走らせ、それをチームの力に結集するまでには時間がかかった。日本代表でもその流儀は踏襲されている。日本協会の田嶋幸三専務理事は、イエメン戦後「長い目で見たいと思う。今は生みの苦しみ」と擁護した。
 中東遠征でもFW陣の決定力不足や、攻撃のアイディアの乏しさなどジーコ前監督が頭を痛めた問題はそのまま。メンバーは刷新され、道筋は示されたが、今のところチームが劇的な変化をしたとまでは言い難い。オシム流はまだ浸透し始めたばかりの段階だ。
 来年7月に東南アジア4カ国で開催されるアジアカップは、トルシエ、ジーコ両監督時代に続く3連覇が懸かる。ここでの結果が、オシム・ジャパンの成果を評価する最初の場所となる。

≪各選手コメント≫

川口能活(ジュビロ磐田)
「こういうゲームではミスが命取りになる。日本のパスサッカーができない時こそ、辛抱強く戦うことが大事。今日勝ったことは大きい。チームとしてのプレーがうまくいかなくても、日本代表として戦う誇りをもっと見せなければいけない。みんなオシムさんの言うことを理解しようとしているのは分かるが、それプラス戦う気持ちがないと。今日はピッチ上で戦う気持ちが見えていなかったと思う。ただ、勝てたことは大きい」

坪井慶介(浦和レッドダイヤモンズ)
「最後はただ放り込むだけではなくて、サイドに(ボールを)ずらして上げることを意識した。(得点シーンは)闘莉王がボールサイドにいたので巻に合わせようかなと。我那覇と巻が見えたが、(競り勝てる)確率の高い方を選んだ。(阿部を最終ラインに下げたのは)相手の14番(アルオムキ)と41番(アリシェリ)が動いていたので、はっきりと阿部に付いてもらった方がいいと思った」

田中マルクス闘莉王(浦和レッドダイヤモンズ)
「まだ僕達は新しいチーム。いいサッカーを求めるのは難しい。今日は早めに(前線に)上がりたかったけれど、なかなか行けなかった。残り10分で行かせてもらえるかなと思ったけど、5分だけだった。それでも点が入ったことはよかった。グラウンドは硬かった。ボールが跳ねてうまく回せなかった。今日はDFとしての仕事はあまりしていない。自分が上がることで、相手のマークを少しでもずらせば点が入ると思っていた」

阿部勇樹(ジェフユナイテッド市原・千葉)
「高地の影響はあまり感じなかったが、空気が乾燥していてそっちの方がきつかった。闘莉王が上がった後のカバーリングなどはこの間のサウジ戦よりも改善されたと思う。相手もある程度前線に人数を残してきたけれど、(前線に)上がれるタイミングはあった。(最終ラインへは)普通に考えて、入る展開だった。自分の判断だったが、特に何も言われなかったし、この間のサウジ戦も同じような展開だった。この2試合はいい経験になった。サウジ戦の負けはいい薬になったし、今日みたいな相手でもどんなことがあるか分からない」

鈴木啓太(浦和レッドダイヤモンズ)
「新潟でやった時よりも、厳しい試合だったことは間違いない。今日は前回の(イエメン戦の)反省を生かせるか、という部分が課題だと思っていたが、相手が前より攻撃的に来た分、リスクを冒すところは難しかった。(ハーフタイムのオシム監督の様子は)普通だった。焦らずに落ち着いてやろうと言われた。今日は相手にとって危険な位置まで入り込めなかった。そこをどう崩すか考えながらやっていたが、結果的に最後のパワープレーで点が取れた。勝ち点3を取れたが、満足はしていない」

三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)
「(グラウンドが悪くて)普通のタイミングでプレーすることができなかった。トラップして早くセンタリングを上げたいという気持ちはあったが、そういうプレーはなかなかできなかった。勝てたことは大きいが、もっとチャンスを作らなければいけなかった。パスミスが多過ぎた。この間のサウジ戦では、グラウンドは悪くなかったけれどミスが多かった。ビデオで見て本当に恥ずかしいと思ったくらい。今日の試合前にもパスミスを少なくしようと言っていたが、それはうまくいかなかったと思う。無理やりパスをして相手にボールを奪われてしまう。今日は本当はもっと前でプレーしたかった。サイドにスペースもあった。でも最後にいいセンタリングで終われなかった。サイドからチャンスを作るのが自分の仕事だが、それができなかった」

羽生直剛(ジェフユナイテッド市原・千葉)
「こういう(でこぼこの)グラウンドで、厳しい試合になることは分かっていた。ただ、その中でも勝てたことはよかったと思う。今日はグラウンドコンディションが悪かったこともあるけれど、1回はたいて動き直すというプレーをやりたかったが、(疲れで)コンディションも悪く、連動していなかった。代表でプレーしている時間が短いので、まだ分からない部分は多いが、反省してしっかりと考えていきたい」

巻誠一郎(ジェフユナイテッド市原・千葉)
「(ゴール前に入っていった選手が)我那覇というのは分からなかったが、あそこに誰かがいるのは見えていた。それまではずっと闘莉王が競っていたけれど、あそこは自分が頑張らないといけないところ。(グラウンドの状態は)見ていて分かったと思うが、影響はあった」

我那覇和樹(川崎フロンターレ)
「ボールがよかったので合わせるだけでよかった。(交代で入ったときの指示は)特になかった。羽生さんと代わって入って、狙い通りの仕事ができたのでよかった。ポジションについては、流れの中で流動的にやろうと言っていた。得点のシーンは巻が競り勝つと信じていた。スタメンで出られないのは自分の力が足りないということ。それは分かっているので、これからももっと頑張りたい」

梅崎司(大分トリニータ)
「残り時間も少なかったし、長谷部さんが入ると思っていたのでびっくりした。まさかと思った。でも今まで見てもらって、評価してくれたということだと思っている。使ってもらったことに意義があると思う。(交代出場で呼ばれたのは点が入る前か?)そうですね。それまでピッチの外で見ていて、オシムさんはパスを回せと言っているけど、自分はもっとアタッキングエリアで仕掛けていくことが必要だと思った。もっと個の力が必要。それがあればもっとパス回しも生きると思う。この遠征でオシムさんのサッカーも分かったし、A代表でもやれると思った。代表に残りたいという気持ちが強くなった。選ばれるチャンスは誰にでもあると思うが、メンバーに残るのが本物」

イエメン代表・ラエアイ監督
「日本に対しいい試合をするのが目標だった。新潟での試合よりはいい試合ができた。我々は経験が少なくチャンスを失った」

日本サッカー協会・田嶋幸三専務理事
「内容については不満足な部分が多いが、その中で勝ち点3が取れたことは大きい。連戦と高地という条件では、この内容も仕方がない」

【日本代表・オシム監督Q&A】

「最も大変な種類の試合だった。なぜなら日本のメディアもサポーターも『勝って当たり前』という雰囲気があったからだ。試合が始まれば勝つのはこっちだ、点が入るのは時間の問題だ、そういう雰囲気がある。選手達も誤解して、相手がいることを忘れてしまう。それは大変に危険なことだ。相手は失うものは何もないので、落ち着いてプレーができる。そういう状況のゲームだった。
 対戦相手にも何人かの優れた選手がいた。我々はそうした選手を警戒しなければならなかった。どちらが背が高いかということは、あまり問題ではなかった。このような(芝のはげたデコボコの)ピッチ状態だったので、何かのアクシデントでゴールが入ってもおかしくない状態だった」

勝ち点3という結果には満足しているようだが、内容については満足していないのではない?

「勝ち点6取れればもっとよかったが、1試合では3しか取れない(笑)。内容については、引き分けで満足しなければならなかったかもしれない。全てではないが、試合のある要素、ある時間帯を見ると、そういう覚悟もしなければならなかった。私が代表監督になって今日が4試合目だが、いずれの試合でもものすごく効果的なプレーはできていない。別に選手達を批判するつもりはない。選手達に『君達はここがいけない、こういうところが欠点だ』などと言い立てると、逆にコンプレックスとなってサッカーが下手になってしまう危険性がある。
 これは日本サッカーの持病というか、あまりすぐに治りそうにない病気と考えるべきかもしれない。例えば以前の代表の試合、オマーン、バーレーン、シンガポール戦などでは、0−0、あるいは1−1のまま試合終了間際までいって、やっと1点差で勝つという試合があった。今日の試合については、それと違う面もあった。私達のチームは、これまでよりもテンポの速い試合ができたし、チャンスの数も昔のチームよりも多くなったのではないか。ただ、そのチャンスを生かせないという点では同じだが…。
 様々なサッカーの哲学者がこの中にはいらっしゃるだろう。ここで巻がミスしなかったらとか、俺がゴール前にいたら決めていたとかおっしゃるのかもしれない。しかし、大事なのは相手がいること、こういったピッチコンディションであること、それからシュートをする瞬間、その場所まで走らなければならないということ、これらを忘れてはならない。別に皆さんに「やってみろ」と言っているわけではない。紳士的にお話しようと思っている。
 イエメンに対して、まずは敬意を表したい。仮定の話だが、新潟の試合もかなり際どいものだったが、あの時ようやく(阿部の)1点が入る、さらには佐藤寿の追加点が入る、そういったことがなくて引き分けでこちらに乗り込んできた場合、あるいは今日の試合でイエメンが先制点を取った場合、どんな結果になっていただろうかと想像してみてほしい。相手がいるわけだから、簡単なものではない。イエメンがそうなっていたら、もっともっと攻めてきただろうし、試合内容も全く違っていたものになっていたと思う。
 率直に申し上げるが、先ほどイエメンの記者から「どうして最強のチームを連れてこなかったのか」という質問があった。私は「今来ているのがベストチームだ」と答えたが、プレーヤーがベストだということではない。プレーヤー個人の力を比べれば、連れて来た選手よりも優れた選手はいるかもしれない。しかしサッカーは個人競技でなく、集団競技である。集団として、どういう力を発揮できるかというのが重要だ。だから集団プレーに向いている選手を今回連れてきた。
 まあ、どんな選手が素晴らしいかということについては好みもあるから、いろいろな意見もあるだろう。ラテン語でも『たで食う虫も好き好き』という意味の言葉があるのだが、趣味について議論するのは意味がないということだ。これまでの4試合、ゴールを挙げるまで、どれだけ私が心の中で苦しんだことか。こんな試合の監督をやるくらいなら、炭鉱労働者をやった方がいいのかもしれない(笑)。しかし、人生とはそういうものではない。生き残らなければならない。
 ここだけの話だが、選手達は大変疲れている。それなのに……。死にそうなくらい疲れているのに、走る気力、戦う気持ちというものを出してくれた。もう少し準備期間を取れるようになれば、コンビネーションプレーももっといい状況で、皆さんにお見せできると思う。
 DFは以前よりは比較的よくなった。遠藤は、人生で一番走ったと、この間の試合で言っていた。彼は非常に素晴らしい選手なので、走ることが加われば成功するのは間違いないだろう。だから、徐々にではあるが進歩していると考えていいと思う。
 それからもうひとつ、アジアサッカー連盟に対して言いたい。批判ではないが、どういうスタジアムで試合するかということを考慮してほしい。サヌアの2000メートルの標高で試合をするなと言うのではない。そうではなくて、今日のようなピッチ状態で試合をするのは(選手達が)かわいそうだということだ。こういう試合では、偶然に負けてしまう可能性もある。
 このチームの選手選考は、いいものだと思っている。今後数年間、比較的年齢の上の選手が4年後もいるかどうかは分からないが、進歩、前進を始めたところだと思う。しかしコンビネーションプレーという意味ではまだまだだし、Jリーグでは重要なポジションは外国人がプレーしていて、本当に必要なポジションでのプレーヤーがうまく育たない環境がある。だから、発展し始めたといっても、その道は決して平坦ではない。代表監督だからといって、Jのクラブの監督に「こういうふうにしてくれ」などと命令するわけにはいかない」

チーム立ち上げのこの時期に、こうしたハードな試合をこなしたことはよかったと思う?

「経験ということか。それは私個人の経験だけでなく、皆さんも含めて選手も経験を積んでいくものだと思う。一種の共同作業だからフェアにいかなければならない。
 田中達、佐藤寿、巻、我那覇らが代表に選ばれていない時期には「どうして彼らを選ばないんだ」という記事を皆さんは書いていたと思う。今、彼らが選ばれてプレーして、少しでもミスをすると「何であいつらを使っているんだ」という記事を書いていないだろうか?また全部のJのチームを見て回って、またFWを4人追加で選ばなければならないことになってしまう。先ほどの趣味の話に関連するが、今回連れてきた4人のFWよりも、いいFWがいるのなら誰か教えていただきたいものだ。
(会場、無言)
 矢野とか、高松とか、大久保、大黒……名前を挙げればきりがないだろうが、それではいい選手は誰か?誰かいるか?だからミスをしたとか、得点力不足だとか、そういう批判を簡単にしてもらっては困るのだ。しかし同時にFWの彼らが、集団の中で生きるようなトレーニングをしなければならない、ということも考えている。シュート練習、キック練習というものは、彼らもボールを買うくらいの余裕があるだろうから、買ってもらってクラブでやってもらいたい。まあ、買わなくてもクラブにあるだろうが(笑)。
(プレスオフィサー「大変すみませんが、そろそろバスが出発するので」)
 いずれにしろ、『今日は勝ってよかった』と言えるに値する内容であったと思う。ただし、負けない時にも学ぶものがある。サッカーとはそういうものだ。これまでの4試合、日本と相手チームとのシュート数の合計を比べてみてはいかがだろうか。得点、失点の問題もあるだろうが、興味深いものがあると思う。そこからサッカー哲学が生まれるかもしれない。こうすれば必ずゴールが入る、または、こうしたら絶対に失点する、そういった法則が見つかるかもしれない。実際には、そういう哲学や法則はないのだが。
 今後は親善試合を含めて、なるべく若い世代のプレーヤーにチャンスを与える機会があると思う。予告しておこう。ただし『オシムのリストに新しい100人の未知のプレーヤーがいる』なんていう記事は書かないでもらいたいものだ(笑)。まあ、そのうち話をする機会もあるだろう。
(プレスオフィサー「すみません、飛行機の時間もありますので」)
 よかったら帰りの飛行機の中で、一晩中話してもいい(笑)。」

≪採点表≫

【イエメン代表】
GK:
25.サイード 5.5
DF:
6.アブドゥラ 5.5
13.アルワディ 5.5
37.ワシム 5.5
MF:
2.サレム 5.0
15.アクラム 5.0
14.アルオムキ 5.0
(77分9.ラドワン --)
16.モハナド 5.0
41.アリシェリ 5.5
(64分26.ヤセル 4.5)
23.アルワ 4.5
(84分43.アルマング --)
FW:
10.アルノノ 4.5

【日本代表】
GK:
23.川口能活 5.5
DF:
20.坪井慶介 5.5
45.田中マルクス闘莉王 5.5
30.阿部勇樹 5.5
MF:
21.加地亮 5.5
55.鈴木啓太 6.5
14.三都主アレサンドロ 5.0
4.遠藤保仁 5.0
51.羽生直剛 5.0
(73分65.我那覇和樹 6.5)
FW:
38.田中達也 5.0
(46分37.佐藤寿人 5.5)
36.巻誠一郎 5.0
(89分72.梅崎司 --)

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