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2006.03.30.THU

☆初勝利★
国際親善試合結果

日本代表1−0エクアドル代表
(九州石油ドーム・36507人)

主審:シャムスル・マイディン
副審:ハジャ・マイディン、ジェフリー・ゴー
第4審判:山西
天気:晴れ

≪得点者≫
日本:佐藤85

≪出場メンバー≫
【日本代表】
GK:
23.川口能活(磐田)
DF:
20.坪井慶介(浦和)
5.宮本恒靖(G大阪)(cap)
22.中澤佑二(横浜M)
MF:
21.加地亮(G大阪)
15.福西崇史(磐田)
18.小野伸二(浦和)
14.三都主アレサンドロ(浦和)
8.小笠原満男(鹿島)
FW:
9.久保竜彦(横浜M)
(77分37.佐藤寿人(広島))
28.玉田圭司(名古屋)
(77分36.巻誠一郎(千葉))

フォーメーション
(3-5-2)

  9  28
14   8   21
  15   18
 22  5  20
   23

【エクアドル】
GK:
12.モラ
DF:
3.ペルラサ
4.ジョージ
13.コルテス
17.エスピノサ、
MF:
6.ウルティア
(85分19.サリタマ)
5.ソレディスパ
(67分14.カイセド)
15.アジョビ(Cap)
20.テノリオ
FW:
7.バルデオン
9.カルデロン
(67分11.フィゲロア)

≪各種データ≫
ボール支配率:
日本…49%
エクアドル…51%
シュート数:
日本…12
エクアドル…8
枠内シュート数:
日本…3
エクアドル…2
PK数
日本…0
エクアドル…0
CK数
日本…3
エクアドル…0
直接FK数
日本…14
エクアドル…17
間接FK数
日本…5
エクアドル…8
OS数
日本…4
エクアドル…8

国際親善試合、キリンチャレンジカップ2006は本日30日、大分市の九州石油ドームで行われ、日本がエクアドルを1−0で下し、ジーコ監督下で南米勢に初勝利を挙げた!日本は後半40分、交代出場の佐藤が決勝点を決めた。3−5−2の布陣で臨んだ日本は前半、積極的な守備を仕掛けて高い位置でボールを奪い、立ち上がりから試合を優位に進めた。左サイドで三都主が果敢なドリブル突破からクロスボールを送るなど、好機を演出。小笠原ら中盤の中央に位置する選手も最終ラインの裏に飛び出して相手守備陣をかく乱したが、シュートの場面では精度を欠いてゴール枠をとらえられなかった。後半に入ると、日本の前線からの守備が一時的に弱まり、最終ラインを上げたエクアドルに流れが傾きかけたが、日本は相手陣内の深い位置に長いパスを送って対抗。ラインの裏を突かれることを警戒したエクアドルが深く引いて守るようになり、日本が再び主導権を取り戻した。玉田が中盤での組み立てに参加しつつ、自らシュートに持ち込むなど精力的に動いて攻撃を活性化させ、後半20分過ぎには久保、小野が立て続けにゴール枠をとらえるシュートを放った。同32分、2トップを代えて巻、佐藤を投入した日本は同40分、相手陣内の深い位置でボールを奪うと、小笠原からパスを受けた三都主が左サイドから低いクロスボールを送り、走り込んだ佐藤が左足で合わせ、決勝点を挙げた。日本代表はW杯に向けて、次の国際親善試合、キリンカップ(5月に2試合を予定)で国内の強化試合を終了、ドイツでのW杯直前合宿に入る。

【3バックで守り修正】
ジーコ監督がこの試合で与えた課題は、FWも連動した前線からの守備だった。監督就任後3分け5敗だった南米勢からの初白星を「今まで欠けていた全員で守るという意識が高かった」と評価した。負傷から復帰した玉田が前線から守備に走り回り、パスコースを限定。小笠原や福西らのMF陣がボールを奪い取り、素早く攻撃に結び付けた。ゴールは1点のみだったが、W杯南米予選を勝ち抜いた試合巧者に、最後まで主導権は渡さなかった。W杯イヤーの今年は2月のアメリカ戦、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦と、強豪相手の試合ではいずれも守備の不安をのぞかせた。この日の布陣はボスニア戦の4バックから3バックに変わった。4バックの修正という課題が先送りになったことをいぶかる向きもあったが、監督にとっては「3か4かということより、前線の2トップからの守備意識」が重要だった。W杯まで残り2ヶ月半足らず。今後はこれまで歩んできた道をどこまで信じ、迷わず戦える状態で臨めるかが重要な段階に入る。宮本主将は「3−5−2は長くやっているし、バランス良く守備ができた。ここ数試合に比べるといい試合。チームとしてのサッカーができた」と、内容に手応えを感じた様子だった。

【気迫の佐藤が決勝点】
鋭くニアサイドに走り込み、三都主のクロスを左足で巧みに合わせた。後半40分、ようやくゴールネットを揺らしたのは佐藤寿人だった。「何か強いインパクトを与えないと」と話していたFWが、ジーコ監督就任後初めてとなる南米勢からの勝利を呼び寄せた。与えられた時間は短かった。後半31分、久保と玉田の2トップに代え、巻とともに投入された。直後には相手DFのボールを2人で果敢に追い回す。この試合に懸ける意気込みを、全身にみなぎらせていた。得点の前にも三都主のクロスに走り込む場面があった。思い通りの球が出ず「ここに出せ」と両手で猛アピール。サイドからのボールをゴールに叩き込む技術はJリーグでも屈指のレベルにある。その自信が仲間への強い要求となり、見事なゴールへとつながった。柳沢(鹿島)の骨折で、ますます混沌としてきたFWのW杯代表争い。「僕に次はない。常にラストチャンスだから。テレビ画面を通して代表の試合は見たくない」。欧州組が加わった2月のドイツ遠征メンバーからは外れたが、決してあきらめてはいない。

≪各選手コメント≫

宮本恒靖(ガンバ大阪)
「ある程度、球際を意識して連動してボールを取りにいけたのは良かった。後半になれば相手が疲れてくると思い、前半は我慢した部分もある。前から来ていたので、後ろにもスペースがあったし、FWとのタイミングが合えば長いボールを出していこうと思っていた。今日は強化試合ということで、自分達次第で結果も変わる。そういう雰囲気で試合に臨むことができた」

福西崇史(ジュビロ磐田)
「(小野)伸二は前に出した方がいい。後ろの人数が足りていれば、守る方としてもそっちの方がやりやすい。今日は後ろとの関係と、それをつなぐ前の部分をうまくやりたいと思っていた。エクアドルは南米のチームでつなぐ意識があったから、局面で負けないようにしないと数的不利になってしまうので、そこは気をつけた。相手のサイドバックがボールを入れた時、取りに行くとボランチの横が空いてしまうので、プレスの位置は低くなるけれど、少し遅れて取りに行くようにしたので、バランスは良かった。4バックでも、またボランチの相手が誰でも、やることは変わらない。状況に応じてみんなで協力していければいい」

三都主アレサンドロ(浦和レッドダイヤモンズ)
「今日はとにかく勝ちたかった。いい試合ができたけれども、スコアが1−0ということで、チャンスをもっと生かしたかった。(ゴールシーンは)いいところに(佐藤)寿人が走ってくれた。こっちはそこに出すだけ。いい動きだったと思う。3−5−2の場合は、サイドからもっと仕掛けないと意味がない。どれだけ高いポジションでチャンスを作るか。前半から自分は飛ばしていって、チャンスを作ろうという意識は高かった。試合前に前回の課題を頭に入れて、ある程度はできたと思う。試合内容も良かったし、いい形で終えることができた。(南米勢に対して初勝利だが)今までなかなか勝てなかったけれども、1対1の強さで負ける部分があっても、気持ちで負けないようにしていた。大勢のファンの前でとにかくいい試合がしたかった。(ハーフタイムでのジーコの指示は)まずミスをしないように。点を取るまであきらめないこと。1対1で仕掛けるように。クロスはできるだけ速いボールを入れるようにという指示を受けた」

小笠原満男(鹿島アントラーズ)
「(今日の玉田の動きについて)彼が動くと、スペースが生まれて、連動性も出てくる。玉田のためにこっちがスペースを空けて、ボールを落とすこともできた。前半は、クロスを上げる場面で、味方がもっとニアに入る必要があったと思う。こちらがボールを持った後のラストワンプレーがもっと良かったら、1点に結びついたと思う。Jリーグの感覚でパスを出すと取られてしまう。相手はリーチがあった。(システムについて)3−5−2の場合は、サイドが高い位置にいることに意味がある。センタリングで中に合わせるようなイメージ。4−4−2の場合は中盤が流動的になるようなイメージがあると思う」

玉田圭司(名古屋グランパスエイト)
「思うようにプレーできたが、もう少しボールに触りたかった。得点につながるようなプレーができなかったのは残念。久しぶりの代表だったのでチームに溶け込むことが大事だと思っていたが、その意味では楽しくできた。(久保とのコンビは?)まだまだ。2人のコンビというのはなかった。(W杯メンバー入りについて?)自分のプレーをするだけ」

佐藤寿人(サンフレッチェ広島)
「前半をベンチで見ていた時に、相手の身体能力が高いと思っていたけれど、低いボールへの対応が悪いと思っていた。自分が出たらニアで狙ってみたいと考えていたが、ピッチに入ってアレックス(三都主)がニアに(クロスを)入れてくれた。自分は当てるだけだった。最低限の結果は出したけれども、まだまだFWでは一番下。(所属の)広島に戻って、とにかく結果を出すこと。今の状況に満足せず、もっと上を目指したい。代表には素晴らしい選手がたくさんいるので、その中になんとか入りたい」

日本代表・ジーコ監督
「エクアドルは南米のチームということで、フィジカルが強く、中盤のチェックも厳しい。気を抜くと何点入れられるか分からない。前からの守備の意識、そして相手のプレースペースをバランスを取りながら狭めるように、選手達には伝えた。それからボールを早く回して、技術以上に気持ちを持って攻めること。それがよく出来ていたと思う。90分間集中が途切れることなかったし、内容的には良い試合になってうれしい。(途中出場の巻と佐藤が執念を見せ、最終メンバー23人を選ぶのが厳しくなった?)彼ら2人が入って、チームのために結果を出してくれたが、ベンチに座る選手全員がチャンスを与えられれば、執念を見せてくれたと確信している。いずれにせよ(候補となる)選手がいるほど最終の23人のリストを作るのが難しくなるわけで、これは(監督としては)ありがたいことだと思う。交代した選手が元気にプレーして、その執念が結果につながったことはうれしく思う。(先発していた)久保と玉田、特に玉田については、ブランクがあったものの、彼本来の動きができることを期待していた。久保がペナルティーエリアで待ちながら、玉田が周囲を動き回るという本来の動きが、点にはつながらなかったものの、かなりできていた。この勢いを崩すことなく、最後の(メンバー)発表の日まで、1人1人が上を目指して精一杯やってほしいと思っている。(本大会では4バックか3バックか、どちらで臨む?)システムの問題以上に、選手に守備の意識が見られた。(ディフェンスが)3か4かということではなく、2トップから守備を意識することを試合前に指示した。ディフェンス3枚でやってきて安定していたが、2トップがボールを失っても後ろが何とかしてくれるという思いがあったと思う。そこで、2トップがボールを取られた時に、どうやって前から追い込むか、という意識。それも動きながら徹底させるということ。それによって中盤、ボランチを含めて、3バックだけに任せるのではなく、もっと前でボールを奪い返す意識付けが必要。今日のように、前からボールを追い込むということ、それから中盤もオフェンスの選手も穴を埋めるためにカバーしたり、球際を強くしたりすれば、後ろは楽になる。全員で守る意識があれば、あとは(練習の)日数があれば機能するだろう。今日はそうした全員守備の意識があったからうまく機能した要因だったと思う。これまでは崩される形が少なかったので、追い込みや前からのプレスが少なくなっていた。気持ちの中で穴があったと思う。だから今日の試合に関しては、そうした選手の意識の部分で切り替える部分が奏功したのだと思う」

エクアドル代表・スアレス監督
「予想通り難しい試合だった。要所要所でいい部分があったが、日本のスピードにやられてしまった。後半はパス回しもうまくいかなかった。チームのパフォーマンスとしては、DFはいい仕事をしてくれたが、FWがチャンスを作れなかったことが敗因。主力の2、3人がケガで来日できず、攻撃陣が手薄になってしまった。できる限りのベストは尽くしたのだが…。今日の日本は左サイドのアレックス(三都主アレサンドロ)が素晴らしかった。彼はマークに長けていて、積極的に攻め上がることで、日本のプレーに幅を与えていた。W杯ブラジル戦については、注意深く、やるべきことをきちんとやればチャンスはあると思う。ただし彼らはカウンター攻撃では世界一だし、ボール扱いも非常にうまい。だから、たやすく勝てる相手ではないだろう。ブラジルと対戦する時は、ボールを1人で持ち過ぎないこと。それからマークをしっかりして、注意深く対応すること。一旦ボールを渡してしまうと、取り返すのは難しい。だからボールを取られないことも大事だ」

≪採点表≫
【日本代表】
GK:
23.川口能活 6.0
DF:
20.坪井慶介 5.5
5.宮本恒靖 6.0
22.中澤佑二 6.0
MF:
21.加地亮 5.5
15.福西崇史 6.0
18.小野伸二 5.0
14.三都主アレサンドロ 6.5
8.小笠原満男 6.0
FW:
9.久保竜彦 5.5
(77分37.佐藤寿人 6.5)
28.玉田圭司 6.0
(77分36.巻誠一郎 --)

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